結論からお伝えします。

入塾時期は、早ければ早い方がいい。中学3年よりも2年、中学2年よりも1年。中学1年の途中からより、中学入学と同時がいい。

学校の勉強だけでは、基礎学力が圧倒的に不足する。学校の授業だけを受けている中3生が、中2までの学習内容をしっかり習得できていることは、ほとんどない。学校の成績が良くても、入試を突破する実力とは一致しない。

誰もが気になる「入塾のタイミング」

論塾WEBサイトで最もアクセス数が多いのが、「いつごろ塾に入ればよいですか?」というページです。論塾のある東京の羽村市やお隣の青梅市だけでなく、全国津々浦々から毎日アクセスがあります。お子さんを持つ方からすると、そのくらい関心が強いのでしょう。

初公開が2013年2月。その後、「いつごろ塾に入れば、高校受験に間に合いますか?」という記事を追加しましたが、2020年の現状を踏まえて説明します。

基礎学力があまりにも下がっている

あらためて、いつごろ入塾すればよいのでしょうか?

入塾時期は、早ければ早い方がいい。中学3年よりも2年、中学2年よりも1年。中学1年の途中からより、中学入学と同時がいい。

中学受験も同様です。小学6年よりも5年。5年生の秋よりも、5年生の春からがいい。

この結論は、2013年と同じです。しかし、その思いはより強まっています。それは何故か?

小学生・中学生の基礎学力が、年を追うごとに、あまりにも低下しているからです。

ひどい。ひどすぎる。

中学3年生であれば、当然できるはずの中2の学習内容が定着していない。中学2年生なら、中1の問題ができない。中学1年生となると、小学校の学習事項が身についていない。小学6年生で入塾しても、5年生内容がわかっていない。

たとえば数学。中学3年生で2次関数を学ぶのに、中2の1次関数ができない。中学2年生で連立方程式を解くのに、中1レベルの1次方程式が解けない。中学1年生で文字式を使って数量を表すのに、小5・小6で学んだはずの割合や速さが身についていない。

英語も、中学3年生なのに中2レベルの不定詞が分からず、3用法の基本となる名詞、形容詞、副詞が区別できない。中学2年生なのに中1レベルのbe動詞と一般動詞の使い分けができない。

しかも、そのような基礎ができていないことに、生徒自身も親も気付いていないのです。

休校で損なわれた「基本中の基本」

とくに2020年は夏休み2回分にあたる3か月にわたって休校がありました。

本来ならば4〜5月に授業があるはずだった単元は、これから1年間その教科の勉強をするうえで、欠かすことのできない重要な学習内容であり、1年を通した基本中の基本を学ぶところです。

とくに数学では、中1は正負の数が分からなければ、中学数学が全く頭に入りません。中3は因数分解や平方根ができなければ、その後の2次関数も、三平方の定理も全く理解できないでしょう。

6月に入り、休校期間中の遅れを取り戻そうと、学校の先生は猛スピードで授業を進める一方で、解説や演習が大雑把になり、生徒は学習内容をさっぱりつかんでいない。そういう声が数多く寄せられています。

休校中も、学校再開後も、こうして基礎基本が軽んじられている影響は、ものすごく大きいです。

「教えた」と既成事実づくりをしている学校現場

入塾する時期を知りたいということは、現在は学校の授業だけで勉強しているということのはず。なかには通信教育でしっかり勉強している小中学生もいますが、そこに不満や不足がなければ、塾探しはしないでしょう。

教育の場は、学校だというのは当然です。

しかし、ここ数年、以前よりも増して、小学校や中学校の指導がとても薄っぺらく、雑になってきています。

みんなで考えよう。自分の感じたことを発表しよう。たくさん挙手したから『関心・意欲・態度』はAばかり。

定期試験も本当に易しくなりました。たしかに試験1週間前から提出物としての学習ワークさえやれば高得点が取れます。ある中学校では「このプリントから70点分を出題するから、やっておけ」と対策プリントまで事前に配布してくれるのです。試験が簡単だから、どの生徒もある程度は得点できるし、平均点も高い。高得点だったから通知表でも、あっさりと「5」がとれます。9教科合計で45という中学生も実際にいます。

そんな中学生が何故か自信満々に、都内全域を対象とした模擬試験を受けると、実は全然できません。偏差値も低い。もちろん、そのまま高校受験に突入すれば、思うような結果が出ないことも多いです。

実力に乏しい生徒ほど、現実を知るレベルにさえたどりつけないので、かえって自信にあふれているのです。近頃の子どもは自己肯定感が乏しいと教育評論家は述べていますが、現場からすると、自己評価が甘すぎる子どもたちのほうが目立ちます。

なぜ塾に入るのですか?

「すでに学校の授業についていけず、もはや自分で勉強できない」
「受験を前提に、少しでも基礎学力の底上げをしたい」
「学校の勉強は大丈夫。できれば学校レベル以上の勉強をしたい、させたい」
「都立の自校問題作成校や私立の大学付属校など難関校に挑戦したい」

いずれの理由であっても、結論は同じです。

入塾時期は、早ければ早い方がいい。中学3年よりも2年、中学2年よりも1年。中学1年の途中からより、中学入学と同時がいい。

そして、何よりもまず基礎基本を身につけてください。基礎学力あっての受験勉強であり、志望校合格です。