6月から小学校・中学校が再開されるにあたり、論塾生かどうかを問わず、学校の学習内容について、知っておいてほしいこと(むしろ覚悟してほしいこと)を3点記します。
1.休校中の課題が、そのまま指導済みの単元となってしまいます。
休校期間中に課された、枚数の少ないプリントや、ただ答えて丸つけしただけの学校ワークだけで、その単元は指導済み、学習済みとみなされます。
よって、その提出物が成績を大きく左右します。また、その単元を理解してるかどうかを問わず、学校では次の単元から授業が始まります。
ある公立中学校では、生徒が先生に「うまく分からないから教えてほしい」と訴えたところ、「だったら休校中のYoutube授業をもう一度見なさい」と突き放されたそうです。
2.学年最初の学習内容は、その学年全体の学習内容の基本中の基本です。
本来ならば4〜5月に授業があるはずだった単元は、これから1年間その教科の勉強をするうえで、欠かすことのできない重要な学習内容であり、1年を通した基本中の基本を学ぶところです。
とくに数学では、中1は正負の数が分からなければ、中学数学が全く頭に入りません。中3は因数分解や平方根ができなければ、その後の2次関数も、三平方の定理も全く理解できないでしょう。
3.中学3年生の習熟不足は、入学試験よりも、むしろ高校入学後に大きな影響を与えます。
文部科学省は各都道府県の教育委員会に対して、高校入試における出題範囲の縮小・削減を求めています。すでに出題範囲を減らすことを決定した教育委委員会もあります。
しかし、高校入学後の学習内容は、あくまでも中学3年間の学習内容が土台になっています。これまでも中学校ごとの習熟度の違いや、内申点が同じ「5」でも明確に存在する学力差について、高校側は一切考慮することなく、高校の授業を展開しています。
入試で出題されないから準備しなくても大丈夫。少なくとも入試で合格したから別にいい。そのような考え方の場合、まず高校の授業についていけないでしょう。入試の出題範囲だったかどうかを問わず、中学校3年間分の学習内容を習熟しているかどうかが、充実した高校生活を送れるかどうかの分かれ目になると見ています。