論塾は、4月も、5月も変わらず小中高生と一緒に勉強しています。毎日、元気よく。5月7日以降も授業をしています。

緊急事態宣言により、さらに1か月ほど休校が延びるなかで、論塾の塾生たちは、どのように勉強しているのでしょうか?

このようなときこそ「いつもどおり」に

まず、論塾としては「学校は休みでも、学習単元や進度は例年どおり」という方針のもと、学習を進めています。

受験学年である中学3年生。例えば数学は4月いっぱいで、中3教科書でいう第2章「平方根」を終えました。論塾では学校教科書は一切使わずに、塾専用テキストを使って指導していますので、学校教科書以上の内容やレベル、学校ワーク以上の設問数で演習を重ねています。連休明けから、第3章の「2次方程式」を始めます。

ほかの教科も同様に、中3の学習範囲を着実に進めています。また、理科と社会は例年、夏休み前までを目標に、中1・中2範囲を復習しています。しかし今年度は、早ければ5月いっぱいで一巡できそうです。

論塾としては、あくまでも例年どおり、という指導ペースなのです。しかし実際には、休校が明けて学校が再開されるときには、塾通いをしていなかったり、または通塾している学習塾が休講だったりする中3生とは、結果的に相応の差がつくのではとみています。

いま学ぶことができる「場」が欲しい

中学1年生で特筆すべきは、論塾の授業日はもちろんのこと、自立学習日も含めて、なんと全員が「皆勤」していることです。連休前は定休日をのぞいて毎日、論塾へ勉強しに来ていました。もちろん、講師は何も指示していません。

中1生の場合は、中学校の入学式を終えただけで、すぐに休校になってしまいました。担任の先生がどんな人なのか、同じクラスにはどんな友だちがいるのか、部活動はどのようなものか。まったく分からないまま、休校になってしまったのです。

中学校からの課題は、大半が小学校の復習。どんな勉強なのか不安だった英語も、アルファベットと単語の練習ばかり。

そんななかで論塾は、中学生としての勉強ができる場であり、たとえ入学した中学校が異なっていても、同じ境遇にある中1生が身近にいるのだと実感できる場でもあります。学習面でも、あくまでも例年どおりのペース。だから単元学習も進んでいますし、はじめて挑んでいる英語の音読トレーニングもずいぶん慣れてきました。

他にも、中学受験生である小学6年生も、休校期間中は「皆勤」を続けています。毎日決まった時間に論塾へ来て、決まった順序で勉強し、決まった時間に帰宅する。そうやって生活リズムを保っているのです。

子どもたちは、勉強する場が欲しいのだなあと感じます。9月入学制が話題となっていますが、「いま学ぶことができる場所」「同じ境遇にいる友だちがいるという実感」「両親以外に『頑張っているね』と言ってくれる大人」を、小中高生たちは切に求めているのです。

自立心が出てきた塾生たち

この休校期間では、学習面の他にも、子どもたちの成長を感じることがたくさんあります。

論塾からは、勉強面でも、生活面でもいい、この休校期間で何か一つだけでも「できるようになった」「やり遂げた」といえるものをつくろう、挑もうと話しています。

感染拡大防止のため、入室後に手を洗うことを励行していますが、もう完全に定着しました。講師が一切声をかけなくても、みずから行動します。

教室内でのマスク着用も、もはや自然なこと。マスクを忘れてきたことは、この1か月で2回だけ。そういう塾生のために塾でもマスクを準備してありますが、まず減りません。

さらには、これまで100%、保護者がクルマで塾の送り迎えをしていた塾生が、距離があるにもかかわらず、親に頼らず自転車で通塾するようになりました。

学校では文化系の部活動に所属している1人の塾生は、帰宅後に筋トレが日課になったとか。

また別の塾生は、自宅にいる時間が長くなったことで、仕事をしながら家事をこなす忙しい母親の姿を目のあたりにしたようです。休校期間になって積極的にお手伝いしてくれるようになったと、お母さんから報告がありました。

「学びたい」という気持ちを大切にしたい

新型コロナウイルスは憎いです。そして「休校」によって、子どもたちが「学びたい」という気持ちを奪われるのは、決して納得できるものではありません。

たまたま論塾は床面積が100平方メートル以下の事業所なので、適切な感染防止対策をとることで、授業を継続できています。これを謙虚に有り難く受けとめ、全力で子どもたちの「学びたい」という気持ちを支えていきます。