ここ数年、入塾をご希望される方のご相談で目立つのが、兄や姉が公立中学校に通われているうえで、その妹や弟が中学受験をしたいというケースです。
「地元の中学校がこんなにひどい状況だとは、まったく思っていなかった」
そうお話しされる方が後を絶ちません。
授業が「薄っぺらい」
論塾では現在、羽村市では2校、青梅市では3校の中学校に通っている塾生が在籍しています。
いずれの学校においても、保護者の方が同じように驚かれるのは、あまりに薄っぺらい授業内容です。
「生徒に関心を持ってもらいたいのはわかるけど、ただ楽しく英語遊びをしているだけではないか」
「基礎的な学習内容にもかかわらず、センセイの説明があまりにも分かりづらい」
学校公開日では、各学校・各学年とも、驚くほど同じ印象を持たれるようです。
意味のない「平均点」
さらに驚かれるのは、学年全体、または学校全体の学力の低さです。
生徒たちはもちろん保護者の方も、定期試験ではまず、平均点を超えたかどうかを真っ先に気にします。「英語は89点だったけど、平均が45.4点だから、まあ、よしとしよう」といったところです。しかし試験後に学年ごとに配られる度数分布表を見ると、以下のようになっています。平均が45.4点という、ある中学校の2年生英語の結果です。
まず、学力の二極化が確実に進んでいるのが分かります。2年生196人中、70~100点の生徒が53人いるのに対し、0~20点の生徒が54人もいます。正規分布だと最も多いはずの、平均点がある40点台の分布がかなり低いです。
学年の約28パーセントを占める0~20点の生徒が多い理由は、担当教諭の指導力不足など、いろいろ考えられますが、良し悪し以前にこのような結果を見てしまうと、妹や弟は同じ中学校に通わせていいものだろうかと考えてしまうのも、分かるような気がします。
別の中学校でも、3年生2学期中間試験における英語と数学の分布は以下の通りです。生徒数は206人で、平均は英語が48.5点、数学が53.5点です。
下位層の多さは、これから高校受験を迎えるとは想像しづらいものがあります。
みずから未来を切り拓く力を身につける
論塾では中学受験を希望される方に対して、「地元の公立中学校以外なら、私立・都立を問わず、中高一貫校ならばどこでもいい」という考えによる入塾は一切お断りしています。
しかし、上記2つ以外にも多く存在する公立中学校を敬遠する理由を考えると、「同じ中学校には行かせたくない」という保護者の方のお気持ちも分からなくもありません。
そんな公立中学校に通っている論塾の塾生に対しては、学校教諭の指導力不足や、周りの生徒の学力低下に左右されることなく、自分で未来を切り拓く力を身につけようと話しています。