「もっと早く入塾しておけばよかった」

そういうつぶやきを、塾生からよく聞きます。たいていは、学校の定期試験で5科450点を初めて得点したり、模擬試験で過去最高の偏差値をとったりしたときです。

こう言ってもらえて、論塾としてはとてもうれしいのですが、ちょっと残念な気もします。

オール3では選びようがない

保護者の方の多くは、定期試験前はわが子が勉強しないことにいらだちながら、試験さえ終わってしまえば何もせずにいます。のどもと過ぎれば熱さを忘れるということです。その試験でかろうじて平均点をとればもう安心。通知表で3ならば、まあ良しという声が聞こえてきます。

しかし、通知表でオール3の生徒は、当塾でも実施している都内全域対象の模擬試験を受けると、偏差値はだいたい42~45。都立高校へ進学を希望しても、ほとんど選択肢がないというのが現実です。オール3ならば全体の真ん中というのは大きな勘違い。

都立高入試における内申点の計算方法が変わったいま、通知表の成績は実力に見合わないほど高めのものを与えられることが多くなりました。すると、内申点がいくら高くても、高校に入学してからは、その勉強についていけないという話が確実に増えました。

もはや平均点は、あてになりません

学校現場で確実に起こっているのが、学力の二極化です。

学校の定期試験のレベルがあまりに易しいので、こんな程度なら高得点は当たり前という生徒と、もともと勉強を一切しないので、100点満点の試験でもひとケタ得点だったり、10点台、20点台だったりという生徒に、大きく二分しているのです。

<参考> 入ったからこそ気になる中学校の様子…

なかには、定期試験ではいつでも全教科90点以上。授業中もたくさん発言し、通知表もいい。だから塾通いなんて必要がないという生徒もいます。すると9教科45という内申点をもって、都立高校であれ私立高校であれ、推薦入試で上位校に合格するということも多いです。

しかし、そんな中学時代の栄光はまったく通用せず、高校入学後はまわりのレベルに到底かなわず、高校1年生の夏休みには予備校探し、というケースも後を絶ちません。つまり、中学時代は“井の中の蛙”だったのです。

まずは勉強法を学ぶ

入塾すると、勉強方法を身につけることを最優先します。1時間の勉強を週に1回するより、たった5分でもいいから勉強を毎日続けること。1回の成功、1回の失敗は数のうちには入らない。反復してこそ勉強。量のない質はありえません。

イスへの座り方、手の置き方。ノートの使い方など、先輩たちが成績アップに結びつけた方法は、すべて教えてもらえます。

定期試験対策もしっかり

定期試験に対しては、ちょうど1週間前から勉強を開始します。最初は恒例の英語教科書の音読トレーニング。その後は学校で配布されたワークやプリントのほか、塾で準備した学習プリントなどを使って、特定の教科にかたよることなく勉強を進めていきます。

平日は夜19時から22時まで、土・日は朝9時から夕方18時まで、期間中は毎日勉強します。とくに週末は長時間なので初めてのときはとても疲れます。ただ、やってみると意外にこなせてしまうことも体感します。この、やり遂げたという実感は、勉強するうえで確かな自信となります。

こうした着実な準備をしたうえで定期試験に臨み、やはりこれまで経験したことのなかった、よい点数を受け取ると、あらためて感じるのです。

「もっと早く入塾しておけばよかった」

後悔しないように

「いつごろ塾に入ればよいですか?」

そんなご相談をよく受けます。わが子の将来を考えると、早めに準備したほうがよいのかもしれない。でも塾に通うとなると月謝がかかるから、少しでも先送りしたい、というのが本音ではないでしょうか。

同じ後悔なら、プラスの後悔をしてください。高校受験に失敗してから、

「もっと早く塾に入っておけばよかった…」

とならないように。